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初めまして。6月より運営に参加しました谷です。始めてレポートを書かせていただきます。
さて、 今回のテーマはロボティクスという事でロボットによって私たちの生活がどう変わるかについて発表していただきました。
日常生活でロボットを目にすることがさらに増えていくと思うとわくわくしますね!

人が信頼してしまう「インタラクションの設計」

最初は株式会社サイバーエージェントの馬場 惇さんの発表です。どのような「インタラクション体験の設計」が効果的で、かつ、受け入れられるのか、これまで AI Lab が実施してきた様々な実験について紹介いただきました。

サイバーエージェントについて

  • メディア、ゲーム、インターネット広告などを展開
  • ソフトウェアな会社
  • 売り上げの大きい広告ででAIを使っていきたい

AI Labの取り組み

  • デジタルマーケティングの課題を人工知能技術で解決
  • 産学連携も盛んで15以上の大学と人工知能を作成
  • その中でも石黒研究室とは共同研究講座も実施
    • 研究テーマは「対話エージェントによる接客」

ホテルのおもてなしロボット

  • 東急ステイによる実証実験
  • 「すき間をうめる」サービス提供
  • 人との対話は難しい
  • 人と対話をせず、ロボット同士が会話=Passive-Socialを使う
    • お客さんはロボットと会話している気分
    • 70%以上の人がロボットに高評価
    • 宿泊日数とロボットの高評価に正の相関
  • 次は、プライベートな室内空間にチャレンジ中

遠隔操作ロボット

  • 自立ロボットには2つの課題
    • 状況認識と対話能力が低い
    • どちらも人間は持っていて当然の能力
  • 遠隔操作ロボットのメリット
    • ほとんどの接客サービスを遠隔からできる
    • 自立学習データが手に入る
  • どうやって接客するか?
    • 「人間が操作していること」を明かす
      • 対人間と同じマナーを要求される
    • 逆に「人間が操作していること」を薄めてみたら?
      • ロボットが持つ受け入れやすさ
      • 人間がいると知らせないことで反感もありえる
    • 人間観を薄める工夫
      • 声を変えている
      • 流暢に会話しても半数が遠隔操作だと見抜けない
  • 操作者の能力を拡張させたい
    • LEDパネルをロボットに付けて感情表現を高める
  • 竹芝フェスで実証実験
    • 人間からガードができない
    • 雨、熱、音、回線も苦労した
    • 子供がロボットの前で踊ったり、接客ロボットと店舗の従業員が空き時間に会話したりしていた
    • お客様はロボットと楽しさを感じていた
    • お客様とロボット操作者の満足度が同程度であった

まとめ

  • 現状の技術はまだまだだけど、工夫によりユーザの体験は豊かにできる。
  • どこまで現実的な対話サービスが実現できるかをもっと理解していきたい

質疑応答

  • スマートスピーカーをレストランで使いたいが雑音を拾ってしまう。何か解決法はないか?
    • マイクにはすべての音を拾わせ、呼びかけだけを抜き出せるようモデルを工夫している
  • 個人情報と繋げると面白いと思う
    • 個人情報をつなげようとしたがハードルがあった

登壇資料

ロボットを社会進出させる。厨房の中で働くロボットの課題と苦悩

2番目の発表はコネクテッドロボティクス株式会社の佐藤 泰樹さんです。
様々な厨房にロボットを入れており、実話に基づいたロボット導入で大変だったことについてお話いただきました。

コネクテットロボティクスについて

  • 調理ロボットサービスの開発
  • たこやきロボットは90%の作業を自動化
  • 朝ごはんロボット、ソフトクリームロボット、唐揚げロボット、食洗機ロボット、シェフロボットなど
  • ロボット導入の際は自分も一緒に行った
  • ロボットに判定の目としてAIを活用した

お客様は誰か?

  • オーナー      ・・・ はじめに導入してもらう
  • スタッフ(ユーザー)・・・ 実際に使ってもらう
  • カスタマー     ・・・ サービスを提供する

ロボット開発の苦悩

  • 飲食業のpain
    • 熱い、臭い、冷たい、手が荒れる
    • 人手不足で時給をあげるか、ロボットを採用するか
  • ユーザーからのwant
    • 顔が欲しい、歌って欲しい
      • 価格が上がるならいらない
    • 開発者も作りたくなってしまう
      • 開発し続けないといけないのでmustに絞ることも大切
  • ロボットが作る飲食店絶対流行る?
    • はじめの1、2ヶ月だけは話題になり流行る
    • そもそも飲食店に来る目的はロボットではなくお腹が空いているから
  • ロボットに顔は必要か?
    • 顔をつけたことがあったが技術が多くて壊れやすくなった
    • お客さんの方を向いたり目線を向けるロボットはモーターが焼き切れた
    • そもそもお客さんはたこやきの鉄板をみて顔はみない
    • ロボットを見続けられるのは90秒が限界
  • ロボットが遅い問題
    • ロボットの動きが遅いので人より時間がかかると思われる
  • ロボットならではの「おっ」と思うものがないとがっかりされる
    • わざわざ物理ボタンを押したりすると喜ばれる
  • 見落としやすいこと
    • スタッフが扱いやすいようにする
    • 鉄板は生き物で予測不可能
    • 店員さんの教育も必要
  • やらない方がいいこと
    • 現地で開発する
      • ネットワーク環境悪い、炎天下であつい
    • 技術に固執する
      • お客さんは画像認識技術には興味がない
    • ハードウェアを作りすぎる
      • 壊れやすくなる
      • 異物混入のリスク

開発ポリシー

  • Simple(単純にする)
  • Visible(見えるようにする)
  • Tangible(触れるようにする)

質疑応答

  • 美味しさにはいきついた?
    • 結局大事なのは立地や味だというところにいきついた
    • コーヒー屋であれば空間作りであったり、目的を整理することが大事

登壇資料

巨大ロボット開発最前線

最後の発表はアスラテック株式会社の吉崎 航さんです。
夢のある巨大ロボットをどのようにして動かすのか、また、これからどのような分野で活躍するかについてお話しいただきました。

最初の巨大ロボット

  • ギリシア神話に巨大自動人形がある
  • 人間の根本には巨大ロボットを作りたいというものがある

巨大ロボットはもう存在している

  • 人が乗って動かせるものがアマゾンに売っている
  • 車に変形するロボット
  • 映画に出演するロボット
  • 日米巨大ロボ対決
  • 動く実物大GUNDAM構想

巨大ロボットをホンモノにする

  • V-Sido
    • 駆動部を抽象化
    • 小さいものから大きいものまでロボットを同じシステムで動かせる
    • ロボットは作らない、ロボットを動かす仕事

なんで巨大ロボットをつくるのか?

  • アニメ世代が40歳になって巨大ロボットを作り始めた

巨大ロボットに意味はあるのか?

  • インパクトだけでなく多機能
  • 建機は巨大ロボットと共通点が多い
  • タイヤではなく足を持つことで今までに行けなかった場所に行ける
  • 可能性が広がる

人間のサイズを2倍にする

  • 単純に大きくはできない
  • 重量は8倍
  • 骨の強度、筋力は4倍にしかならない
  • 軽くて強い素材が必要

巨大にする理由

  • 遠くに手を伸ばしたい
  • 一度に運べる量を増やしたい
  • 人間が乗るため
  • 外的要因(海だから、無重力だから)など

巨大ロボットのビジネス

  • 映画、イベント、グッズ販売など
  • 役割を与えてビジネスにできる

さいごに

  • 日本で巨大ロボットが作られる背景にアスラテックがあるからと言われるようになりたい
  • 新しいロボットでビジネスをするメーカーに寄り添っていきたい

質疑応答

  • 頭に羽があり腕がないロボットも制御できる?
    • 最近ドローンに足を生やすことも流行っていて広まって行く可能性はあると思っている。

登壇資料

登壇者希望により未掲載

まとめ/次回予告

クロージングセッションについては、Tech-onコミュニティマネージャーの須田からレポートします。

これまでは同じ渋谷でも駅の反対側のTECH PLAYで開催していましたが、1周年を機に場所を変えて開催してみました。
テーマも「ロボティクス」ということで、ロボティクスな業界の方々との繋がりは全くなかったので、これまでのテーマよりも登壇者探しは一層困難を極めました。その甲斐あって、対話ロボット、調理ロボット、そして巨大ロボットまで、私たちの生活を支えるロボット(巨大ロボットは文字通り力強く支えてくれそうですが)で活用されている技術と、実用化に向けた困難と期待、そして夢が詰まったお話を聴くことができました。これからも様々な課題解決のため、ロボティクスが適用される分野は、IoTやAI、5Gなど新たなテクノロジーとのコラボレーションによって深化していきますし、また機会があればTech-onでも紹介できればと思っています。

ネットワーキングタイム

発表に引き続き、ネットワーキングタイムでは登壇者への質問や、参加者同士の情報交換が行われていました。

登壇いただいた方の記念撮影も行いました。

懇親会の最後には全員で記念撮影を行いました!
掛け声はいつもの「てっく〜おん!」

次回予告

次回Tech-on MeetUp#09のテーマは「エンタープライズ・ブロックチェーン」
11/11(月)にDEJIMA(東五反田スクエア13F)にて!ぜひお越しください!

イベント参加者のブログ記事