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レポートを書くのも3回目になりだんだんこなれてきた野島です。
今回もTech-onの模様についてレポートしていきます。
今回はとうとうTech-on1周年となる記念すべき回となりテーマはDevOps、
登壇者のみなさんにDevとOpsのかかわりについて興味深い発表をしてもらいました。
さらにはTech-on初のLTもあり、クローシングでは様々な驚くべき発表もありました!

Ops meets NoOps ~そのとき何が起こったか~

最初の発表は日本マイクロソフト株式会社の真壁さんの発表です。
2018年に生まれた「NoOps」という衝撃的な概念、その反応や現状の整理を通じ、Opsはいま何を感じ、悩み、挑戦しているのかをOpsの目線でお話ししていただきました。

NoOpsの現状

  • エンジンスタートした組織は数多い
  • ギアを1速、2速、3速へ入れたチームは眩しい
  • でも、ギアが入らない組織のほうが多い

もがく三景

  • 試行錯誤しにくい
  • 言い出しっぺがつらい
  • 旗だけたっちゃう問題

考えてほしいこと

  • やめよう と胸を張って言える組織ですか?
  • 「退役」:新しいことを始めるのではなく、断捨離から
  • 今やっていることを続けながら新しいことができますか?何をするにも時間が必要
    • システムは放っておくと腐る
    • やめる判断は、偉い人の大事な仕事
    • 現場で声を上げる

NoOpsの始まりは「捨てること、やめること」から

  • 作るのは誰にでもできる
  • NoOpsの実践はやめることを始める
  • 時間が作れたら、どうやって軌道に乗せるか

いきなりドリームチームは作れない

  • 少なくとも、意欲のあるメンバーから始める
  • 恣意的でも、小さくても、まず手を動かして実績を作るa

どこから着手するか決めきれないなら

  • Cloud Native Trial Map
  • 順番にやらなくていい、可観測性と監視、分析のところからNoOpsを始めてみるといい

共有指標があってこそのチームワーク

  • NoOpsのためにはObserbilityが重要

まとめ

  • NoOpsは技術やアーキテクチャだけじゃない
  • 前向きにやめようが言えるチームを作る

登壇資料

チーム開発におけるDevとOpsのプラクティス

2番目の発表はKDDI株式会社の廣田さんです。
KDDIでは運用と開発の組織が分かれており、
そのような環境の中で1つのサービスの成功というゴールに向かうために行ってきたプラクティスを紹介いします。

チーム開発と運用の課題

  • 開発・運用でゴールが違う
    • 開発:サービスを開発/機能追加していく
    • 運用:サービスを安定稼働させる
      • →運用メンバーを開発チームに入れる
  • 開発・運用でシステムの考え方にギャップがある
    • 開発:システム構成要素を家畜扱い
      • ダメになったら新しいものを追加して対応
    • 運用:システム構成要素をペット扱い
      • ダメになったものをどうにかして直す
  • 監視設定がわかりにくい
    • zabbixとかを使うと設定した人しか内容がわからなくなる
    • コード化して誰でもわかるようにする
  • システムは変化するものであり、その都度運用を見直す必要がある
    • 機能や連携先が増減すればシステムの構成要素も変化
    • ユーザアクセス傾向も時期により変化

継続的障害訓練のすすめ

  • 運用と開発合同で障害訓練を定期的にやる
  • 商用環境は流石に無理なので検証環境で実施
  • 障害はシステム全域に出したい
  • GUIツールを使って障害を起こす
  • 障害発生にはGremlinを利用
  • 訓練内容
    • 開発運用合同で実施
    • 何の障害を起こすかは事前に言わない
    • 実際に商用環境で障害が起きたとして対応を行う
    • 訓練後様々な声が
      • 手順書がやくにたたなかった
      • システムのことについて何もわからなかった
      • ...etc

登壇資料

LT

今回はTech-on史上初のLTも行われました!
5人の方々にDevOpsをテーマとして5分間物申してもらいました!

平瀬 達也(たっち)さん@JX通信社

LT一人目はJX通信社の平瀬 達也さん!
SREチームを社内で初めて作ったことについてお話いただきました!

金城 秀樹さん@コネヒト

二人目の発表者はコネヒトの金城 秀樹さん!
10人程度のチームでSlackを使いこなしたインシデント対応についてお話いただきました!

中村 憲一郎さん@日本マイクロソフト

三番手は日本マイクロソフトの中村 憲一郎さん!
DevOpsが達成された前提で、次はOpsはどこと仲良くなればいいのかお話いただきました!

小西 宏樹さん@CyberAgent

4番目の発表はCyberAgentの小西 宏樹さんです!
マイクロサービス化されたWebサービスの上手な運用に四苦八苦するお話をしていただきました!

鶴見 純一さん@ZOZOテクノロジーズ

最後のトリとなる発表はZOZOテクノロジーズの鶴見 純一さんです!
モノリシックシステムからマイクロサービス並行する中で、5人チームでどう運用を回していくかお話していただきました!

目指せトレンド入り

今回1周年記念イベントとしてTwitterトレンド入りを狙いました!
イベント中ツイート数は順調に伸びていき、最高トレンド11位を記録しました!
惜しくも10位いないには入れなかったものの大健闘です!

まとめ/次回予告

クロージングセッションについては、須田からレポートします。

1周年のあゆみ

今回でTech-on 1周年ということで、前半にコミュニティマネージャーの大橋より1年間のあゆみを振り返りました。
計6回で600人超の参加者(今回の#07で更に100名超えたので、700名超になりました!)にお越しいただきました。今回でTech-on 1周年ということで、前半にコミュニティマネージャーの大橋より1年間のあゆみを振り返りました。
参加いただいた皆さんありがとうございます。

大橋からはコミュニティマネージャーを私にすることも報告しました。
#03頃からコミュニティリーダーとして、開催の取りまとめはしていたのですが、マネージャーとしても更に活動の関心軸、効果を見ながら動いていきたいと思っています。

1周年記念の4つのサプライズ!

1周年に目がけて4つのサプライズを準備したので発表しました!(いやー、なんとか間に合いました。。。)
ポータルサイトにそれぞれ詳しく案内がありますので、のぞいてみてください。Tech-onに参加したことある方は、まずはslackにjoin!

  1. 新ロゴ発表!
  2. Tech-onポータルサイトオープン!
  3. Slack開設!(参加したことある方向け)
  4. 運営メンバー募集!

ネットワーキングタイム

数々の発表があり興奮冷めやらぬ中、ネットワーキングタイムが行われました。
参加者、登壇者、スタッフが分け隔てなく会話し議論や情報交換を深めていました!

登壇者の方々の記念撮影もしました!

最後には参加者全員で記念撮影をしました!

次回のTech-on第8回のテーマはロボティクスです!お楽しみに!

最近ようやくkubernetesの動きがわかりはじめた野島です。

新元号最初のTech-on『Tech-On MeetUp#06』についてレポートしていきます。
いつも通り「TECH PLAY SHIBUYA」での開催となり、なんと過去最高の約90名もの方にお集まりいただきました。

今回のテーマはAI、AIを専門とされる3名の方に、テーマにちなんで、愛(AI)してるものについてもご紹介いただきながら、主にAIの最新技術および方向性、更にその技術をどのように活用できるかをお話いただきました。

イベント当日のスライド

【スライド1】SXSW2019に見るAIの未来
 帆足 啓一郎@KDDI総合研究所
【スライド2】強化学習を使った次世代シミュレーション最適化
 Eduardo Gonzalez@スカイマインド
【スライド3】見えていないものを見出す機械学習
 白川 達也@ABEJA

【スライド1】SXSW2019に見るAIの未来


最初の発表はKDDI総合研究所の帆足さんです。愛しているものは奥さんとのことです。

3月にテキサス州のオースティンで行われた、SXSWのAIに関する講演から今後のAIの動向を紹介していただきます。

奥様との幸せな未来を見定められた帆足さんは、AIの未来を今後どのように見定めているのでしょうか、概要が以下になります!

SXSWとは

・オースティンで毎年3月開催されるイベント

・ 元々は音楽祭だったが、映画やテクノロジーについてのイベントも同時開催されるようになった

・ 講演、パネルディスカッション、展示会などが行われる

・ 著名な人や面白い人の話を聞けるのが魅力

過去の参加

・ 2016年からAI関連のセッションに参加

・ 過去の参加レポートはASCIIで記事になっている

今年のSXSW

・ キーワードはEthics(倫理)とEmpathy(共感)

■ 主なセッション

 ・Dear GovDear Gov't: Regulate Us! Sincerely, AI Indutry

  - AI技術について、政府レベルでの規制を訴える内容

  - AIに関わるプレイヤーが多すぎるため規制が必要

  - 今のガイドラインだと適切な規制にならないため、新たな規制が必要

 ・How Ai Will Design the Human Future

  - AIを前提とした人類・社会の設計についてのパネルディスカッション

  - AIのベネフィットを示すだけでなく、信頼性、受容性を出さないといけない

  - 人類・社会全体をよくするための全体的な再設計が必要

 ・How AI Changing Advertising in China

  - 中国はAI天国であるという講演

  - wechatであらゆることができるので、1つのアプリであらゆる行動データを大量収集できる

  - 中国の規模とスピード感を実感

 ・キーワード1:Ethics

  - AIはクールなテクノロジーから社会の脅威に変化しつつある

  - GAFAは解体すべきとの意見を出すようなセッションもあった

 ・UBERLAND: Algorithms and the Future of Work

  - AIは経営者になれるのか?をUBERの事例から考えるセッション

  - AIは適切な給料を計算することができるだろうが、それで労働者が納得するかは別問題

  - AIが合理的な値下げを提案したとしても、運転手がそれに従うか?

 ・Will Machines Be Able to Feel?

  - AIは感情を持てるか?と議論するセッション

  - 持てるか持てないかという次元では、開始20秒で持てないと断言

  - リアクションのような反応は持つことはできる

  - 既存のチャットボットはユーザの欲しい言葉に合わせる傾向があるので、矛盾の要因になり得る。ルールの適用は必要不可欠。

 ・Technology and the End of the Poker Face

  - システムの人の解析は人の能力を上回っている

  - 病気の検出のような使い方をできる

  - 監視社会でも使われるかもしれない懸念がある

 ・Featured Session: The War for Kindness: Building Empathy in a Fractured World

  - AI要素は薄めのセッション

  - 人々の共感が減っている

  - 共感のトレーニングをやっているという講演

 ・ キーワード2:Empathy

  - AIと人間のコミュニケーションが重要になってくる

  - 目指したい世界:人とAIが共感できる

  - どちらかがどちらかに合わせるのは良くない

まとめ:SXSWが投げかけた問い

・人とAIの理想的な関係は何か

・ それの実現のために必要な取り組みは何か

お話を聞いて

SXSWであった講演のお話を聞いて、AI技術の進化スピードはとても早く。様々な問題が日々考えられていると感じました。

皆さんもこれらの問題をみて、どうあるべきかということを考えてみてはいかがでしょうか。

【スライド2】強化学習を使った次世代シミュレーション最適化


2番目の発表はスカイマインド株式会社のゴンザレズ エドワルドさんです。

愛しているものはベビーメタルであり、アイドルとメタルの融合という次世代のパフォーマンスと、

スカイマインドが作る次世代の機械学習システムにいい影響を与えているのかもしれません。

スカイマインドについて

 ・オープンソースのJava用DLライブラリ『DeepLearning4J』や、企業向けのDLプラットフォーム「SKIL」を提供

anylogicについて

 ・シミュレーションモデリングのソフトウェア

 ・工場の動作などのシミュレーションし、機器が故障した時の影響を確認できる

 ・JAVAと同じようなシミュレーションを生成する

 ・エクセルの入力を読み取ってシミュレーションといったことが可能

anylogicの理由

 ・スカイマインドのDeepLearningライブラリもanylogicもjavaで書かれている

 ・顧客から機械学習の要望があった

強化学習入門

 ・学ぶことを機会に行わせるのが機械学習

 ・いくつかの種類がある 

  - 教師あり学習:回答を見せながら学習

  - 教師なし学習:答えは教えないが、データは見せる

  - 半教師学習:教師ありと教師なし半々

  - 強化学習:行動の評価値を教え、評価値が高くなるように工夫させる

 ・強化学習は特に難しい

 ・ゲームなどで行動パターンを学習させることができる

 ・いくつかのアルゴリズムがある

  - DQN

  - Policy Base Learning

anylogic+強化学習のメリット

 ・シミュレーションの動作は設定できるが、どういう動作をさせると最適になるかはヒューリスティックにやっていた

 ・強化学習で最適なパラメータを見つけ出す

サンプルの紹介

 ・信号機の制御を例に紹介

 ・車の量に応じた信号の切り替わり時間を調整する

 ・強化学習の実装:

  - パラメータを調整する

  - anylogicでシミュレータを作った後、ニューラルネットワークのロジックをいれる

   -- 階層は2層で300ノード

  - 学習を行い結果をシミュレーションし、その結果を使って再び学習するというのを繰り返す

 ・実験結果:

  - 南北のトラフィックがほとんどない状態で実験すると、ずっと東西が青、南北に車が来た瞬間青になるという動きをする

  - ラッシュアワー時にもanylogicの最適化オプションより交通がスムーズになるという結果が出た

 ・ユースケース

  - 組み込みシステムに導入することで、機器の交換なしに生産性を上げることができる

お話を聞いて

強化学習を利用することで既存の最適化オプションよりも良い結果を得られたということで、大変興味深かったです。

それほど大きくないニューラルネットワークでもこの結果でしたので、より大規模なネットワークで学習するとどうなるんだろうとわくわくしました!

【スライド3】見えていないものを見出す機械学習


最後の発表はABEJA, Inc. の白川さんです。アイディアのあるものを愛しているとのことです。

司会者は、アイディアが詰まっているといえばカレーを思い浮かべてましたが、白川さんもカレーをお昼に食べていたとのことでした。

ABEJA, Inc.について

 ・DLの実装、運用プロセスを効率化するABEJA Platformを提供

機械学習について言いたいこと

 ・今AIっていわれてるのは機械学習のこと

 ・人間の思考は1:勘 2:論理的思考があって、機械学習は1に相当

 ・AIは運用し、使い込んでいくと改善していく

 ・AIは人間の代替ではない 得意な部分は人とAIで違う

ソフトウェア2.0

 ・Teslaの研究者が作った造語

 ・ソフトウェア1.0は振る舞いを書いたものであるのに対し、2.0はデータによるフィッティングができる

ソフトウェア2.0の作り方

 ・大規模に学習を行う

 ・Big GAN

  - GANを大規模に行ったら高精度な画像の生成に成功

 ・GPipe

  - 巨大なNNの並列学習を行うためのフレームワークを利用

 ・BERT

  - 大きなモデルで特殊な学習方を使うことで精度が大幅に向上

 ・GPT-2

  - 巨大な文章生成用の言語モデル

Discovery2.0

 ・新しく作ってみた造語

 ・Discovery1.0:予想できる判断要素から発見 Discovery2.0:相関を学習によって発見する

 ・耳の形や眼底の写真から、性別年齢などを判別できる

 ・いろんなものをとって相関を見つけていくことが重要

 ・ディープラーニングは使うデータによって中身を大きく変える必要がないので有利

心理学×AI

 ・Personality Psychologyで個人の特性を知ることに使えるのではないか

会場の雰囲気

今回は過去最高の来場者数となり、ネットワーキングタイムにも多数の方に参加いただきました。
みなさんそれぞれ思い思いの会話をされ、参加者同士の交流を深めておりました。
イベント最後は恒例の記念写真を撮影しました。今回も恒例のTの時での撮影です!

関連記事・イベント参加者のブログ記事

最近SpotInstanceとKubernetesで遊びはじめた野島です。

平成最後のTech-On、Tech-On MeetUp#05についてレポートしていきます。前回に引き続き今回も「TECH PLAY SHIBUYA」での開催となり、約80名もの方にお集まりいただきました。

今回のテーマは「xR」、xRと様々な技術の組み合わせによる新たな価値提供や課題解決についてお話いただきました。

(司会者追記:今回は私がカレー好きなこともあり、掛け合わせる→カレーのトッピング! と思い浮かんでしまったので登壇者紹介もカレーにちなんだ内容にしてみました。かなり強引でしたが。。笑)

イベント当日のスライド

【スライド1】VRの現状と未来
 多田 英起@ナーブ
【スライド2】xR × 施設型エンターテイメント
 村上 俊介 & Yichuan Shao@ティフォン
【スライド3】XR x ComputerVision
 水田 修@KDDI
【スライド4】AR今昔 〜セカイカメラから10年、最新テクノロジーでARはどうなる?
 高橋 憲一@カブク
 (聞き手:小島 英揮@Still Day One 合同会社)

【スライド1】VRの現状と未来


最初の発表はナーブ株式会社の多田さんの発表です。
VR内見といった、カレーにソースを掛け合わせるが如く購買体験という味をキリッと引き立たせるサービスの紹介を通し、「VRの現状」そして、「VRの未来」について語っていただきました。

提供サービス

  • 「もしも」が見えれば人の暮らしはもっと豊かに
  • どこでもストアというVRで不動産の内見をできるサービスを提供
  • ショッピングセンターに設備を置きサービス提供し、担当者ともリモートでやりとりできる

VR/AR時代の情報量

  • ナーブのVRの定義は「情報」
  • VR/AR時代は提供できる情報量が違う
  • 専門家とそうでない人の間の情報のギャップをVRで見せ解決する

今後の動き

  • 現在はコンテンツの蓄積が完了したとこと
  • 今後はチャネルと認知の拡大に向け舵を切っていく

技術面

  • 特許を複数取得
    VRで送信するデータの送信手法
    バーチャル空間に家具を置く
    ...etc

  • 課題
    購買情報のデータが膨大すぎてDBがパンク
    本番用DBに直接アクセスしていたため、障害が本番で発生

  • 解決法
    RedashとDBの間にTresureDataを挟むようにした
    レスポンスの時間が8分の1以下に
    DBがパンク寸前の状態でもレスポンスが帰ってくるように

新サービス

  • VRトラベルAd
    VRをアド事業にも展開
    視線の移動などから購買時にどこを見ているのかなどが解析可能
    Hivemallを使って機械学習しデータを解析する

お話を聞いて

VRを使った内見や広告の話を聞いて、今後のVRビジネスの展望が楽しみになりました。
技術面では、データ量の増加によりDBのアクセス速度が大きな問題になっているとのことでしたが、TresureDataを間に挟み込むというシンプルな方策で解決で劇的な効果を得たところに感激しました。
私も技術的な問題を解決する時シンプルで効果的な手段をとっていこうと思います。

 ○スライドは後日公開いたします。

【スライド2】xR × 施設型エンターテイメント


2番目の発表はティフォン株式会社の村上さんとShaoさんです。

xRを用いた施設型エンターテイメントという、カレーに蜂蜜をかけるが如く、両者の良いところが活かされたサービスについて、運営/技術面での課題や解決法についてお話いただきました。

提供サービス

  • MRを使った体験型施設ティフォニウムを運営
  • 体験できる場所
    お台場
    渋谷
  • 体験できるアトラクション
    『コリドール(Corridor)』(ホラー・アトラクション)
    『フラクタス(Fluctus)』(ファンタジー・アトラクション)

技術面(Corridor)

<アトラクションの概要>

  • 洋館の中を探索するホラー・アトラクション
  • 4.5m x 8.5mの空間をバックパックPCを背負って歩き回る
  • HMD内蔵のカメラで画像を取得し、アプリ内のCGと合成して表示

<初期の課題と解決法>

  • HTC VIVEの内蔵カメラは開発当時のバージョンでは奥行きを認識できなかったため、壁に隠れて見えないはずの人が見えてしまう
    ⇒ プレイヤー同士が離れないように、リングを持ってもらうようにした
  • 広い空間で自由に歩ける状態になると、現実の部屋の壁にぶつかる
    ⇒ 足元に魔法陣で順路を表示し誘導するようにした
  • エレベータで移動し背後の扉が開いたあと、それに気づかず振り返ってくれない
    ⇒ プレイ開始時にスタッフがプレイヤーと共にエレベーターに乗り、操作を一通り説明する

<サウンドについて>

  • 渋谷店オープン時にサウンド面を強化した
  • ダイナミックレンジを広げてより現実の音量感に近づけた
  • リバーブ設定を調整し、没入感をあげた
  • イナゴの音をよりリアルにした

ユーザを満足させるための工夫

  • 映像合成用の部屋のバックカラーは紫とし、施設のイメージと合うようにした
  • 部屋の広さは余裕をもって広めにし、壁にぶつかることがないようにした
  • 待ち時間にも飽きさせないように、PVを流したりなどした

運用にあたってのTips

  • ノウハウは意識して貯める
  • ハードウェアトラブルが多いため、機材の予備はストックしておいた方が良い
  • スタッフにはなんども体験させるなど、教育は必須。しかし時間がかかる

お話を聞いて

MRを使ったエンターテイメント施設の紹介を聞くと、わくわくし自分も行ってみたくなりました。
技術面では映像面での他にサウンド面でも力を入れており、VRは映像技術だけでなく、サウンドなどのその他の部分も重要な様相になると気づきハッとしました。


【スライド3】XR x ComputerVision


3番手はKDDI 水田さんの発表です。AI、ComputerVision、xRを組み合わせ現実世界を拡張してバーチャルキャラクターとコミュニケーションする仕組みと、そこから生まれたインサイトやビジネスニーズなど、カレーにとんかつをいれるかのようなおいしそうな話をしていただきました。

作っているもの

  • 携帯3キャリアの中では1番早くから取り組んでいた
  • xRを使ってキャラクターと話したり踊ったりできるサービス
  • ARの中にVR空間を表示する
  • 体験価値を向上する新しいコミュニケーションを作る
  • スマートグラスなどの新しいデバイスも利用

マーケット

  • 既存のあらゆる体験がマーケットになる
  • 既存の体験にどのような追加要素を載せるか

課題

  • 歩きスマホ
    デバイスの改良で解決
  • コンテンツの共有
    クラウドを利用することで解決、通信のレイテンシの削減が追加の課題

ユースケース

  • バーチャルキャラクターガイド
  • 美術館でバーチャルキャラクターが観光地の案内をする
  • 音声は合成音声、動作は組み込みで後ろ側に人は一切いない
  • アプリはUnitiy、ARCoreを利用
  • 英語人材の少ない地域へ派遣し、外国人観光客対応をアシスタント
  • 最近は低年齢の子供を対象にした機能を開発
  • 使用者の年齢を認識し、年齢に合わせた文字の表示や案内内容を変更

キャラクターAI

  • キャラクターと会話ができる
  • 常時話しかけ、会話ができるようになっている
  • 電気をつけてと言ったら電気をつけたりする
  • 時間や場所によって挨拶をかえたり、人間らしさを追求
  • 機嫌が悪くなったりするなど、感情も持たせている
  • 生々しい反応をするが、使ってもらった感想は好評だった

お話を聞いて

AI、ComputerVision、xRを組み合わせた会話や案内などの仕組みのお話を聞き、仮想世界におけるキャラクターの可能性を感じ取りました。マーケットは既存のあらゆる場所に存在するとのことなので、今後はどこでどんなサービスとして世に出てくるんだろうとわくわくしました。

【スライド4】AR今昔 〜セカイカメラから10年、最新テクノロジーでARはどうなる?


ラストの発表は対談形式、話し手が株式会社カブクの高橋さん、聞き手がStill Day One 合同会社の小島さんです。

約10年前にリリースされたARと位置情報を組み合わせたアプリである「セカイカメラ」、カレーに生卵をかけるように今や当たり前となった組み合わせですが、これが最新技術ではどのようになるのか、今後どのようになっていくのか、その歴史を見続けたスピーカーの視点でご紹介します。

ARの位置付け

  • クラウド、モバイルが登場、普及して、AIが商用になりつつある
  • VR/AR/MRも同様で、その素養の上で、ビジネスとして成り立つようになってきた

2009年のAR

  • セカイカメラリリース
  • 現実世界の場所にエアタグという仮想的なタグをつける
  • いろんな場所に来た証拠を残すことができる
  • 当時使った技術:Java, NDK, C++, OpenGL ES, AWS EC2, S3, PHP

 <課題>

  • マネタイズがうまくいかなかった
  • エアタグに広告を入れようとしたが、フィルタリングがうまくいかなかった

2019年にセカイカメラを作るとしたら

  • 利用技術:ARCore Sceneform, ARCore Cloud Anchors, Java, Kotlin, Firebase Authentification, Firebase Cloud Firestore, Geo Firestore
  • ARCoreを使うと画像の重ね合わせが簡単にできる
  • Android Studioで3Dモデルのインポートが簡単にできる
  • 当時大変だった部分が簡易化されて作りやすくなっている
  • Unityはやはり外せない、使うといろいろな部分を簡単に作れる

今後の技術について

  • Googleが奥行きセンサー無しで画像の奥行きを測る技術を研究中
    不確実な話だが、これができれば普通のカメラで奥行きを意識したARを実装できる
  • 機械学習によるAR
  • InstaSaber:丸めた紙を画像認識し、ARでライトセイバーを表示
  • Wanna Kicks:足を画像認識して好きな靴を履ける

結論

「あのセカイは普通になる!」

お話を聞いて

当時有名だったセカイカメラを通してARの昔、今、今後についてお話いただきました。
当時と現在の利用技術の違いをみてみると、フレームワークやクラウドサービスの発達は著しいものだと気づかされました。
もはや誰でも簡単にARアプリを作れる時代になりつつある今、今後どんなアプリケーションが出てくるのか期待したいです。

会場の雰囲気

セッション終了後の懇親会も50名以上の方に参加いただきました。
参加者同士でのディスカッション、講演者に気になったことを質問など、参加者、講演者、スタッフの区切り無くできたてのカレーのような熱い雰囲気となっておりました。
最後は恒例のTの字での記念撮影を行いました!

今後

次回Tech-onは「xR」をテーマとして3月に開催します。

皆様のご来場心よりお待ちしております!

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イベント当日のスライド

【スライド1】APIでつながるFintech~次世代金融ソリューションの創造~
 中澤 康至@カブドットコム証券 前田 拓海@リコノミカル (モデレータ:長谷川 霞@KDDI)
【スライド2】じぶん銀行とOpen API
 都木 良和@じぶん銀行 馬場 貴志@KDDI/WebMoney
【スライド3】リアルFintechの立ち上げ方~無人コンビニ600×決済プラットフォームStripe の場合~
 久保 渓@600株式会社、小島 英輝@ストライプジャパン

Tech-on MeetUp#04「APIでつなぐ・つながるFinTecher」

こんにちは!Tech-on運営の野島です。
新年一発目のTech-on、「Tech-on Meet Up #04」についてのレポートです。 今回は開催場所を再び「TECH PLAY SHIBUYA」に戻し、約70名ものかたにご参加いただきました。 第4回目のテーマは「FinTech」、初の対談形式でのセッションとなり、FinTechに関するAPIを作る側、使う側の視点からお話しいただきました。

【スライド1】APIでつながるFintech~次世代金融ソリューションの創造~


トップバッターはカブドットコムの中澤さん、リコノミカルの前田さん、KDDIの長谷川さんです。
金融×VRという新しい組合せの製品をテーマとしたAPIの利点、課題について発表頂きました。

カブドットコムの提供API

  • 証券情報を取得するAPIを提供
  • 証券の情報は銀行口座などと違って法律の制約に引っかからず提供可能
  • APIを使う上で面倒な部分はカブドットコム側でラップし利便性を向上

リコノミカルの開発した製品

  • 画像認識/ARのAPIを活用(提供)し、「AR kabu-camera」(コンセプトモデル)をカブドットコム証券と共同開発
  • 株価情報の確認や取引が可能
  • 2018年のシーテックに出展、SNSなどでも話題に

KDDI

  • APIマーケットで両者を仲介
  • カブドットコムが求める技術を持っている企業を探し、リコノミカルを見つけ引き合わせた

APIの利点

  • バックとフロントを分離できる
  • UIや新型デバイスの利用といった、金融側が苦手な分野の技術を得意な企業に任せることができる

現状のAPIの課題

  • APIをオープンにできない
    • 電子決済等代行業の制約を受け、使うには登録が必要
    • 証券情報は再配布に課金される
  • ハードルが高い
    • 金融についてのリテラシーや知見が必要
    • 難しそうという思い込みがある
    • 今後APIの普及でハードルが下がっていくことに期待

お話を聴いて

金融×VRという組み合わせの珍しさもさることながら、1ヶ月というとても短いスパンで画面を完成させるなど製品を作るスピードの早さに驚きました。
カブドットコムのAPIは、証券会社のめんどくさい業務部分をラップして効率化を図る思想で作っているとのことで、このようなスピード感のある開発を行うにはAPI提供側と利用側双方の工夫が必要であると実感しました。

【スライド2】じぶん銀行とOpen API


2番手はじぶん銀行の都木さんと、KDDIの馬場さんに発表頂きました。
au WALLET プリペイドカードのオートチャージ機能の発表を通して、決済に求められる技術的要件などについてお話しいただきました。

じぶん銀行の提供API

  • 政府は銀行事業者にOpenAPI利用を推奨している
    • OpenAPIといっても利用事業者は登録制で、事前審査が必要
  • OpenAPIと独自APIの2種類を用意している
  • 独自API
    • au WALLETとの連携
    • 残高照会
    • 振込指示
  • OpenAPI
    • アレクサなどと連携した音声操作

KDDIの製品

  • au WALLET プリペイドカードでじぶん銀行のAPIを使った機能を提供
    • 決済時の不足額分をじぶん銀行の口座から自動的に補填

技術的な要件

  • リアルタイムチャージが完了するまでのレスポンスが問題になる
    • じぶん銀行口座からの補てんがすべて完了するまで決済は終わらない
  • レスポンス時間とユーザーの満足度の関係
    • 1秒以内:問題無し
    • 3~5秒:遅いと感じる
    • 10秒以上:クレームが来る
  • リアルタイムチャージは1秒以内で決済処理を完了できる

今後について

じぶん銀行と連携したauPayのQRコード決済を行っていきたい

お話を聴いて

リアルタイムチャージの実行は1秒で済むという、動作の高速性に驚きました。
法規制の関係で銀行関係のAPIはまだまだ制約は多いようですが、国としてはAPI利用を推し進める方針ではあるようなので、QRコード決済をはじめとした今後の技術の発展に期待したいです。

【スライド3】リアルFintechの立ち上げ方~無人コンビニ600×決済プラットフォームStripeの場合~


最後の登壇はストライプジャパンの小島さんと600株式会社の久保さんです。
無人コンビニ600の話を中心に、キャッシュレス決済についてのお話をしていただきました。

ストライプの提供API

  • クレジットカード決済に必要な機能をAPIで提供
    • 都度決済
    • 定期決済
    • C2C決済

無人コンビニ600

  • クレジットカードを使い、店員なしで商品を購入できるコンビニ
  • クレジットカードの利用により、販売データを収集し戦略に生かすことができる
  • コンビニよりもさらに身近な店舗を目指している

600実現までのハードル

  • ハードウェアの開発
    • ハードウェアでCI/CDをやるのは難しく、開発の高速化が課題
    • アップデートをどう効率的にやっていくか

今後のFintech/キャッシュレスの注目技術

  • キャッシュレスに関するFintechに注目している
    • 今後決済というフローを意識しなくなる時代がやってくるのではないか
    • 銀行レスの時代が来るのではないか
      • 不況の時などに信頼を担保できるかどうかが課題

お話を聴いて

コンビニよりさらに身近で買い物ができる環境が整備されれば、ちょっとした買い物でビルの外に出ることもなくなるので、とても業務効率が上がるんじゃないかと思いました。
決済が身近に、意識しなくて済むような世界が今後も発展していってほしいと思います。

懇親会の雰囲気

セッション終了後のネットワーキングタイムも、引き続き多くの方に参加いただきました。
軽食、飲み物をいただききながら聴講者、登壇者、スタッフが分け隔てなく情報交換や議論を行い、活気のある雰囲気となっていました。

今後

次回Tech-onは「xR」をテーマとして3月に開催します。

皆様のご来場心よりお待ちしております!

イベント参加者のブログ記事